高速道路での飛び石などで、自動車のガラスにヒビが入ってしまう経験をされたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
高速走行するトラックの後ろを走っていると、タイヤで跳ねた石が当たり「パチーン!」というすごい音を立ててフロントガラスにヒビが入ってしまうことがあるのです。
ヒビが入ってしまったガラスはリペアか交換が必要ですが、自分でリペアするという選択肢もあります。
今回はそういったヒビが入ってしまったガラスのリペア方法についてご紹介していきます。
リペア可能なヒビの大きさ
自動車ガラスのリペアには、可能な範囲というのがある程度決まっています。
基本的には直径2cm以内のヒビであればリペアで対応可能です。
それ以上の大きなヒビとなると、リペアではなくガラスの交換という対処が必要となるでしょう。
ヒビが入ってしまったら、まずはそのヒビの大きさを測ってみてから対処方法を考えることをおすすめします。
ただし測ったときは2cm以内だったとしても、ヒビは振動や気温の変化によって広がってしまうので、なるべく早く対処するようにしましょう。
ガラスリペアに必要なもの
では自分でガラスリペアをする場合に必要となるものをご紹介します。
最低限次のものは用意するようにしましょう。
・補修液
・注射器
・台座・両面テープ
・乾いたクロス(雑巾)
・マスキングテープ
・補修キット
補修キットは1,000円程度でも販売されているので、そういった商品で問題ありません。
ガラスリペアの方法・手順
自動車ガラスのリペア方法を手順に沿って解説していきます。
工程が多く慣れないことなので不安になるかもしれませんが、慎重に行えば素人でもそれほど難しいことではないので安心して取り組んでみてください。
<1.ガラス全体の清掃>
まずはヒビの入ったガラス全体を清掃していきます。
ヒビ周辺を中心に乾いたクロスなどで丁寧に拭いていきましょう。
このとき注意しなければならないのは、「必ず乾拭き」ということです。
濡れ雑巾などで拭いてしまうと、二重構造になっているガラスの間に水分が入ってしまい、補修に悪影響が出てしまいます。
<2.ヒビ部分の清掃>
次にヒビ部分の清掃を行います。
ピンなどの細い針先で傷口の表面や内部にある汚れを取り除きます。
この傷口の清掃をすることで補修液が浸透しやすくなるので、汚れは綺麗に取り除いておきましょう。
<3.ヒビ周辺の養生>
清掃が終われば、次はヒビ周辺の養生です。
マスキングテープを使用し、補修材が垂れてきても大丈夫なようにしていきます。
必須ではありませんが、補修液が垂れて固まると厄介なのでなるべく養生することをおすすめします。
<4.台座の設置>
補修液を注入し、圧をかけるための台座を設置します。
両面テープを使用し、ガラスのヒビ部分に台座を設置していきます。
しっかりと密着させないと圧がうまくかからなくなるので注意が必要です。
<5.補修液の注入>
いよいよ補修液の注入です。
こぼれないように注意しながら台座に補修液を注入していきます。
もしこぼれてしまったら、乾いて固まる前に拭き取りましょう。
きちんとヒビ部分に補修液が入ったかどうかは車内側から見ることで確認できます。
<6.減圧・加圧の繰り返し>
台座に注射器をセットし、押し引きすることで減圧・加圧を繰り返し行います。
注射器を押して加圧すると補修液を送り込み、引いて減圧すると内側のガラスが引き寄せられる仕組みです。
これを10回程度行い、圧がかかっていない状態で注射器を取り外しましょう。
<7.台座の取り外し>
ここまでの工程で台座の役目は終わりなので、台座を取り外しましょう。
台座を外すと補修液がこぼれてくるのでしっかりと拭き取ります。
そして最後にヒビ部分のくぼみを埋めるために補修液を1~2液垂らして仕上げます。
重要な作業なので必ず行うようにしましょう。
<8.保護フィルムを貼る>
ヒビ部分に保護フィルムを貼って、補修液が固まるまでしばらく待ちます。
気温や湿度などの条件によって固まるまでの時間も異なりますが、目安としては30分~1時間程度です。
<9.はみ出した補修液を削り取る>
補修液が完全に乾いたことが確認できたら、最後にカミソリの刃で余分な補修液を削り取っていきます。
ガラスを傷つけないように慎重に行いましょう。
刃の角を使うと傷口を悪化させてしまう恐れがあるので注意が必要です。
刃の角度を斜めにして、削ぎ落とすような要領で行うことがコツです。
無理そうなら業者に依頼する
傷口によっては素人ではリペアが難しい場合もあります。
細かい作業に自信のないような人も、不安であれば専門業者へ依頼しましょう。
費用は1~2万円程度が相場なので、無理して自分でやって傷口を広げてしまうよりは無難なのではないでしょうか。
まとめ
自動車ガラスのリペアなんて、素人でもできることなのか最初は不安だと思います。
しかし手順をしっかりと理解し、正しい方法で行えば意外と簡単にできる作業なので、チャレンジ精神のある方にはおすすめです。
ガラスにヒビが入るということ自体稀ではありますが、自分でリペアできる可能性があることを知っておけば選択肢が広がるので、頭の片隅にでも入れておいてください。