金庫のダイヤル番号や大切な書類の保管場所は他人にはなかなか教えられないものですよね。
しかし自身の身に万が一のことが起こったときには、残された家族が困ってしまうのも事実です。
そんな問題を解決するため、最近では非常に便利なシステムも登場しています。
今回はそんな万が一のときに金庫の番号や重要な物の場所を知らせる方法についてご紹介いたします。
■昔ながらの遺言書を使う方法
まずは昔ながらの遺言書を使って伝える方法です。
遺言書にも正式なものから簡易的なものまで存在しますが、こういった遺言書に大切な物を保管している金庫番号を記しておきます。
遺言書は亡くなったときに初めて開封されるものなので、生きている間は誰にも知られる心配がないという点も便利なところです。
シンプルかつ確実な方法としておすすめできる伝達手段です。
遺言書と言うのは3つのタイプがあって、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」に区別されます。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、遺言書を作成する際にはしっかりと理解しておきましょう。
<自筆証書遺言>
自筆証書遺言とは、簡単にいうと自作する遺言書のことです。
必ず本人が直筆で記入し、押印しなければなりません。
自身で保管することになるため、紛失や盗難に遭ったり遺言書が発見されないといったリスクがデメリットだといえますが、作成するのに費用もかからず、気軽に作成できることがメリットです。
<公正証書遺言>
公正証書遺言とは、遺言書を公正証書として公証人役場で保管してもらえる遺言書です。
自身で記入しなくても、公証人に記入したい内容を伝えることで作成してもらえるので負担が少なく作成できることや、紛失や盗難の心配がないことがメリットです。
しかし、法令で定められた手数料が発生することはデメリットだといえます。
<秘密証書遺言>
秘密証書遺言は遺言書の内容を誰にも見られたくないといった場合におすすめの遺言書です。
内容を気付かれることなく遺言書を残すことができるといったことが一番のメリットなんですけれども、お金が必要になって保管は自身で責任を持って行うことになるため紛失や盗難のリスクがあることがデメリットだといえます。
■最新技術を活用する方法
昔ながらの遺言書を使用するのも一つの方法ですが、現代の最新技術を駆使した「遺言ソフト」を使用するのもおすすめの方法です。
遺言ソフトという名前は聞きなれない人も多いかもしれませんが、その名の通り遺言書替わりにパソコンのソフトを活用する方法です。
パソコンソフトで遺言を残しても現在は電子書類では正式に遺言書として認められませんが、正式な遺言書の保管場所や重要物を保管してある金庫の番号などを家族に伝えるには便利なシステムだといえます。
この遺言ソフトは、普段は自分しか使用しないパソコン内に家族に伝えたいメッセージをわかりやすく保存しておき、万が一のことが起こったときに家族がそのパソコンを起動させたらそのメッセージを読めるようにしておくソフトです。
ソフトの種類によっては家族がそのソフトを開いた瞬間にパソコン内のプライベートなデータを自動的に削除してくれる機能まで備わっています。
そのため、見られたくない情報を無くして見てほしい情報だけを伝えることができる非常に便利なソフトとして注目されています。
近年では「終活」という言葉が流行するなど、ある程度の年齢になると万が一の時に備えて身辺整理をする人が増えているだけに、こういった遺言ソフトは重宝されることに変化するのではないかと考えます。
金庫の番号の管理は難しい問題ではありますが、こういった最新の技術を活用することで解決できることもあります。
パソコンの中身は個人情報などプライバシーの塊のようなものなので、自分が亡くなってから他人に迷惑をかけないためにも、削除するデータと伝えたいメッセージを今から設定しておくことはおすすめです。
若い人でも交通事故などいつ何が起こるかわからない世の中なので、まだ早いなどと思わずすぐにでも整理しておくこと良いでしょう。
■今後も進化を続ける技術
遺言ソフトのように現在でもIT技術によって非常に便利なシステムが作られてはいますが、今後は更に改良された便利なシステムが作り上げられていくことは間違いないでしょう。
パソコンでソフトを開いても、遺言を伝えたい相手だけにしかメッセージを見られないようにするロック機能など、まだまだ新たな機能が搭載されて進化していくはずです。
そういった技術の進化と同時に法律も変化していく可能性があります。
これだけインターネットが普及している現代では、今後電子書類でも正式な遺言書として認められるようになる可能性は十分に考えられます。
そうなると更に便利な遺言状作成ソフトが登場してくることは明らかで、自分の希望通りに大切な内容を伝えることが可能な時代になると考えられます。
■まとめ
現在の技術や法律では、遺言書や遺言ソフトを活用して金庫番号などの大切な情報を伝ええる方法が現実的ですが、将来的には今なお非常に大きな進化を遂げる可能性があると思います。
高齢化社会でこういった遺言問題も加速していくと予想されるだけに、大きな企業が参入してくることも時間の問題です。
技術や法律の変化には日頃から注目しておき、常にそのときベストだと思われる方法で大切な情報を管理しておくことをおすすめします。