老朽化した給水管から漏水が発生することは決して珍しくありません。
しかしそんなときには安易に部分的な修理を依頼するのではなく、新設も候補に入れて考えるべきです。
実は工事内容によっては修理よりも新設の方がお得になることもあるからです。
今回はその理由について詳しく解説していきます。
■給水管の老朽化とは
給水管は消耗品なので、長年使用しているとどうしても老朽化は避けられません。
給水管の種類にもよりますが、普通に使っていれば寿命は15年程度が一般的です。
もちろん使い方によってはもっと早く、10年以内に老朽化が始まることも有り得るでしょう。
塩化ビニールなど樹脂系素材の給水管であれば劣化しにくいともいわれますが、それでも永遠に老朽化しないわけではありません。
給水管が老朽化するとどのような状態になるのかというと、主に管の中に赤サビが発生してきます。
この赤サビによって、詰まりや腐食、漏水などの給水管トラブルが発生してしまうのです。
また、給水管が老朽化してくるとひび割れなども起こり、そうなると給水管自体を交換しなければなりません。
■漏水が起こっているサイン
給水管の漏水をなるべく早く発見するには、水が漏れているサインを見逃さないことが大切です。
例えば水道を使用していないのに水道メーターが回っていたり、それによって水道代が高くなったりといったことです。
他にも壁から水が染み出ていたり、埋設管からの水漏れで地面が濡れている、水の出が悪いといったことも考えられます。
こういった今までとは違う何かがサインとなっているはずなので、些細なことでも「おかしいな」と感じたら、点検だけでも業者さんにしてもらうことをおすすめします。
■給水管の漏水を解消するには
給水管の漏水を直すには、専門知識や技術が必要となるため、素人では難しい作業となります。
パッキンの交換程度であれば素人でも修理することができますが、給水管自体にダメージがあり交換作業が必要な場合は、自分で行うことは諦めて専門業者へ依頼するようにしましょう。
工事内容は漏水が起こっている部分のみを交換するか、給水管全体を交換・新設することになります。
■老朽化している給水管は全体的に問題がある
古くなって老朽化した給水管では、漏水が起こったときにその部分だけを交換しても根本的な解決にはならないことを理解しなければなりません。
長年使用してきた給水管は全体が老朽化しているはずなので、部分的に交換して一時的には漏水が解消されても、また他の場所で次から次へと漏水が発生する可能性が十分に考えられます。
そのときたまたまその場所から漏れたというだけで、どこから漏水が発生してもおかしくない状態なのです。
そういった状態を根本から解決するには、給水管を新設することが最も有効な方法です。
■新設の方がリフォーム的要素を削減できる
給水管工事の方法を費用面で考えてみると、漏水した箇所だけを修理する方が一見安く済むように思いがちですが、実はそうとも限らないのです。
給水管の一部分だけを修理しようとすると、壁を剥ぐ必要が出てくるなどリフォーム的な要素も増えてきます。
しかし給水管を完全に新設する方法であれば、給水管を外部に出して設置するなどリフォーム的な要素を限りなく削減することもできます。
このようにリフォーム的な工事を極力減らす手段を選ぶことで、一見高く付きそうな新設工事の方が部分修理よりもお得に行うことができるのです。
■新設のメリットは費用だけではない
部分的な修理ではなく新設工事の方が安く行うことができる理由は理解できたと思いますが、実は新設工事には他にもメリットが存在します。
それは「工期の短さ」です。
既存の給水管すべてを取り替える工事や部分的に取り替える工事は、どうしてもリフォーム的要素が多く出てくることもあり工期が長くなってしまいます。
その点新設工事ではこれまでの給水管はそのままで、リフォーム的要素を最低限にすることで工期を明らかに早くすることができます。
工期が短くなることで費用を抑えられるだけでなく、少しでも早く安心して水道を使える生活に戻れるメリットもあるのです。
給水管の老朽化は部分的な修理では一時的な効果しか期待できないので、おもいきって新設することをおすすめします。
■まとめ
給水管の老朽化はいつか必ず訪れます。
マイホームの場合は長く住むわけなので、老朽化による水漏れが起こる日がくるのは時間の問題です。
老朽化した給水管を部分的に修理して使用しても、また他の箇所から水漏れが起こることは大いに考えられるため、その場しのぎのような工事となってしまうのであまりおすすめすることはできません。
短いスパンで何度も工事をすると費用もかさみ、家への負担も大きくなってしまいます。
給水管の老朽化が原因となっている漏水に関しては、費用も安く工期も短い新設工事を行うことをおすすめします。