水道管や蛇口が凍結して困った時の対応方法

冬になり気温が急激に下がると様々な問題が起きがちですが、その中でも代表的な問題としてあるのが水道管や蛇口が凍結してしまうというトラブルです。

一度水道管や蛇口が凍結して水が出なくなってしまうと、家事ができなくなったり飲水が飲めなくなったりと多くの方を悩ませます。

今回はそんな水道管や蛇口が凍結してしまった時に出来る対応方法などについて詳しく解説していくので、すでに水道管などが凍結してしまって困っている方はもちろんのこと、これから水道管や蛇口などを凍結させたくないと考えている方も是非参考にしてみてください。

■水道管や蛇口の凍結は破損の原因となる

水道管や蛇口の中にある水が凍結してしまうと、洗い物や洗濯などといった家事ができなくなり、当然飲水を確保することもできなくなります。

しかし、それ以上に大きな問題となることもあるのです。

例えば、過去にベランダから水が大量に飛び出してしまうトラブルが起きたケースでは、ベランダの下にある水道管が凍ってしまい、その中にある水の体積が増えたことで水道管が破損してしまったことが原因でした。

さらに同じように水道管が凍結して破裂したことによって、吹き出てしまった水がそのまま氷柱のように凍ってしまったというケースもあります。

他にも家の中の水栓器具などにヒビが入ったりしてしまうなどの問題もよく起こります。

このように水道管の蛇口の凍結というのは単なる個人の生活だけでなく、それ以上に大きな問題となってしまうことにもなりかねない問題なのです。

また実際に蛇口が凍結してしまったことで破裂してしまうと、その後さらに長い期間水が使えなくなってしまったり高い修理費用を払わなくてはいけなくなったりもするので、一時的に水が使えなくなったとしても大丈夫だと考えている人でも、決して油断してはいけない問題なのです。

■水道管が凍結しやすくなる条件

それでは次にどのような条件が揃うと水道管が凍結しやすくなってしまうのか、その具体的な条件について解説していきます。

凍結の理由を知ることで対策もできるようになるので、しっかりと確認しておくことをおすすめします。

<気温>

まずは気温についてですが、一般的に水道管というのは氷点下2度よりも低い温度になってしまった時に凍結しやすくなります。

これは実際に東京都の水道局が公式に発表している情報なので信頼度は高いのですが、場合によっては氷点下4度を下回ったら凍結しやすくなるとも言われているので、実際には幅を持たせて氷点下2〜4度程度になったら凍結しやすくなると考えておけば良いでしょう。

ただし、過去には氷点下が2度よりも高い状態であっても水道管が凍結してしまったという例外的なケースもあるので、氷点下2度を下回りそうだという予報が発表された時には、氷点下2度を下回らなかったとしても大きなトラブルで困らないためにも念のために注意をしておいた方が良いでしょう。

<場所>

次に凍結しやすい場所についてですが、気温が下がった時に凍結しやすいと言われている場所は大きく分けて3つあります。

1つ目は水道管が外気に直接触れるように外に出ている場所です。

外気に直接触れるように水道管などが出ていると、当然気温が下がった時にダイレクトに影響してしまい、その中にある水が凍結しやすくなってしまうというのが理由になります。

また、外に出ている場所は冷え込む前夜に対策を忘れてしまいがちなので、そういった意味でもこの外気に触れるような外にある場所というのは凍結しやすいと言えます。

2つ目は太陽に当たらない場所です。

太陽に当たらない場所にある水道管や蛇口などは日が昇ったとしても、その太陽による温度の上昇が起こらずに常に低い温度のままで維持されることが多いため、他の場所と比べて凍結しやすくなります。。

そして残る3つ目は北向きにある水回りです。

例えば、洗面所やキッチンなどの水回りが北向きにある場合には、2つ目と同様に太陽が昇ったとしても日光からの影響を受けづらいので凍結しやすくなると考えられています。

このように水道管や蛇口には特に凍りやすい場所というのが存在するので、天気予報などで気温が大きく下がるなどといった情報が出た際には、特にこの3つの場所にある水道管や蛇口を中心に対策をしておいた方が良いでしょう。

ただし、この3つの場所以外でももちろん凍結することはあります。

この3つの場所はあくまでも優先して予防するだけの場所だけであり、それ以外の場所は予防しなくても良いというわけではないので注意してください。

■凍結してしまったときの対応方法

基本的には水道や蛇口というのは凍結させないことが一番なのですが、どれだけ入念に対策をしていたとしても時には凍結してしまうこともあります。

そこでこれから万が一凍結してしまった時に実践できる効果的な対応方法についてご紹介していきます。

今回は3つの方法をご紹介していきますが、どれもその効果が実証されているものなので一通りチェックして出来るものから取り組んでみるようにしてみてください。

<自然解凍を待つ>

水道管や蛇口を傷つけることなく最も手間のかからない対応方法、それが自然解凍を待つという方法になります。

確かに凍結してしまった水道管や蛇口というのは自然解凍するまでにある程度の時間がかかってしまうので、どうしてもすぐに洗い物や洗濯などをしたい時には不便になります。

ただし、自然解凍を待つこの方法は水道管や蛇口を傷つけるリスクを低く抑えることができ、さらには何かの道具を用意することなくただ待つだけで良いという点がメリットです。

そのため今すぐに水を出さなければいけないという状況でないのであれば、無理に凍結した部分を解凍しようとして蛇口や水道管を壊してしまったりしないためにも、この方法を試してみることをおすすめします。

ちなみに凍結してしまった日の最高気温と最低気温が最低でも5度以上開いていれば、太陽が一番高く登る午後2時くらいまでには自然解凍されていることも多いと言われているので、この方法を実行する時には午後2時を目安として考えておきましょう。

<お湯で温める>

次にご紹介するのは凍結してしまった水道管に蛇口をお湯で温めて解凍してしまうという方法です。

この方法の良いところは何と言っても自然解凍を待つよりも短期間のうちに解凍することができ、すぐに水を使えるようになるということです。

ただし、この方法を実践する際には注意をしなければいけない事が1つあります。

それは凍結してしまった水道管などを温める際には熱湯ではなく、50度前後のぬるま湯を使うということです。

一般的に凍結してしまった部分を解凍させるためには高い温度のお湯の方が効果的だと考える人が多くいますが、実は凍結してしまった水道管などを解凍する時には高い温度のお湯をかけるのは絶対にしてはいけない行為となります。

なぜなら水道管は金属で出来ているため、水が凍るほどの冷たい状態から急激に温度を上げると膨張してしまって、それがきっかけで破裂してしまうことが多くあるからです。

実際に水道管などがあまり凍結しないような地域でごく稀に凍結した時には、間違って熱湯をかけてしまって水道管を破裂させてしまうトラブルが多発するようになります。

なので早く解凍したいからと言って熱湯をかけることだけは絶対にしないように注意しておきましょう。

<お湯以外のアイテムで温める>

残る3つ目の方法は、水道管や蛇口をぬるま湯以外のアイテムを使って温めるという方法です。

具体的には暖かい風が出るドライヤーや長時間暖かさが維持される使い捨てのホッカイロ、お湯を含ませたタオルなどがあります。

このようなアイテムを使うことで、自然解凍より早く水道管などが使えるようになります。

なので時間がないとき、かつぬるま湯を用意出来ないときには上記のアイテムを活用して対応してみてください。

■凍結させないための予防方法

先ほどもご紹介したように、水道管や蛇口というのは凍結してから対応するよりも、そもそも凍結させないようにすることが一番の対策方法となります。

そこで次に、気温が下がったときでも水道管や蛇口をなるべく凍結させないために効果的だと言われている予防方法についてご紹介していきます。

今後凍結が原因で困りたくないという方はしっかりとチェックしておくことをおすすめします。

<保温材の取り付け>

最初にご紹介する水道の蛇口を凍結させないためにできる予防方法は、気温が下がってしまう前に保温材を取り付けておくという方法です。

案外知られていないのですが、水道管などの凍結を予防するために開発されているパイプカバーなどの配管保温材という種類のアイテムがホームセンターなどで販売されています。

この配管保温材などを購入しておき、実際に寒くなってしまう前に凍りそうな場所へ巻きつけておくのです。

そうすれば気温が実際に下がったとしても凍結する条件となる氷点下2度から4度以下にはなりづらくなるため、凍結の予防効果が期待出来るようになります。

ちなみにパイプカバーなどが利用できない場所には、使わなくなった古い布やスポンジなどを巻いておくだけでも予防効果が期待できるので、蛇口などの小さい場所などへはそのような方法で予防しておくと良いでしょう。

<少しだけ水を出しておく>

次にご紹介する水道管や蛇口を凍結させないための予防方法は、水が出ているうちから少しだけ水を出し続けておくという方法になります。

なぜこの方法が水道管などの凍結の予防に効果的なのかと言うと、水が例え少量であっても動いていれば、水が凍結してしまう氷点下2〜4度以下になることを防げるようになるからなのです。

中には水を出しっぱなしにしてしまうと水道代が大きくなってしまうのではないかと心配になる人もいますが、本当に少量の水を出しておくだけでも効果がありますし、水道代を節約したが故に水道管が凍ってしまって破裂などをしてしまったらそれ以上のコストが発生してしまうこともあります。

そのため、本格的に冷え込んでしまいそうなときには多少の水道代がかかってしまったとしても水を出しておくようにしておいた方が良いでしょう。

<水抜きをする>

次のご紹介する水道管や蛇口の凍結予防方法は、水抜きという方法になります。

水抜きとは文字通り水道管や蛇口の中から水そのものをなくしてしまうという方法で、これさえ行っていれば、どれだけ冷え込んだとしてもそもそも水がないため凍結してしまうことがなくなるので、特に旅行などで長期間家を離れる場合などにはおすすめの方法となります。

具体的な水抜きの方法ついては、次の2つのステップに分けることが出来ます。

ステップ1:メーターボックスの元栓をしっかりと閉める。

ステップ2:家の中で一番高い場所にある蛇口と一番低い場所にある蛇口を開けて、水を出す。

基本的にはこの2つのステップを実行することで、水抜きが出来るようになります。

ただし水道管以外の給湯器などの機器の中にある水については、それぞれの機器によって水抜きの方法が異なってくるので、そちらに関しては故障させないためにも説明書などを確認した上で実行するようにしましょう。

<追い炊き状態にしておく>

最後にご紹介する水道管に蛇口を凍結させないためにできる予防方法は追い炊き状態にするという方法です。

この方法は具体的にはお風呂の中に循環口よりも高い位置までお湯を入れて、35度ほどで朝まで追い炊きをし続けるという方法になります。

この追い炊き状態にしておくという方法は、特に家の外側にある凍結しやすい給湯器などを凍結させないためには非常に効果的なので、そういった給湯器などが凍結してしまいそうな環境にある場合にはこの方法を実践しておくと良いでしょう。

ただし、単純に蛇口を開いてお湯をためるようなタイプの浴槽の場合には追い炊き状態にしても意味がないので、残念ながらこの方法は使えません。

ですので、該当する場合にはこれまでご紹介してきたような他の方法を実践するようにすると良いでしょう。

■水道管が破裂したときの修理費用

それでは最後に凍結などが原因となって水道管が破裂してしまったときの修理費用についてご紹介します。

水道管が破裂してしまった時の修理費用については、破裂してしまった場所によって大きく変わってきます。

例えば、家の中の水道管が破裂してしまった場合には修理費用の相場は2万円前後が相場です。

一方で天井の中や床の下など作業がしにくい場所にある水道管が破裂してしまった場合には、作業が難しくなるという理由で修理費用の相場は3万円から5万円前後となってきます。

もちろん、破裂がかなり小さい場合には今よりも安くなることがありますし、反対に破裂が大きくなった場合には5万円以上になることもありますが、明らかに相場よりも金額が離れている場合には最悪の場合悪徳業者であることも考えられるので、相場よりも離れているときには必ずその理由を確認するようにしましょう。

また、破裂してしまった水道管がある住宅が住宅金融公庫から融資を受けているという場合には、「住宅金融公庫特約火災保険」という保険による保証を受けることができます。

住宅金融公庫特約火災保険とは融資の返済をするまでの間に融資を受けていた住宅に火災や凍結による水道管の破裂が起きてしまったときのための保険のことなのですが、これを利用すれば1回で最大10万円までの保証を受けることが出来るようになっているのです。

ただし、住宅金融公庫特約火災保険による支払い額に関しては、被害の様子を細かくチェックした上で決められるもので、必ず10万円の保証が受けることが出来るという意味ではないので勘違いしないように注意しておきましょう。

ちなみに水道管が破裂した場合の修理については上下水道局指定業者に依頼をしておけば、その後減免制度といって申請書を提出するだけで破裂の際に出てしまった分の水道料金を下げてもらえるようになります。

注意点としてはこの制度によって減免される料金は地域によって変動するので確認が必要だということです。

そのため、できれば水道管が破裂したときには特別な理由がない限り上下水道局指定業者に工事を依頼するようにしておくことをオススメします。

■まとめ

今回は気温の下がる冬の季節に水道管や蛇口が凍結してしまったときの対応方法や予防方法などについてご紹介してきました。

既に解説した通り一度水道管などが凍結してしまうとしばらく水が使えなくなってしまい、あらゆる面で悪影響が出るようになります。

そうならないためにも、天気予報で本格的に冷え込むという情報が発表されたときには、是非今回ご紹介した方法などを参考にしっかりと凍結対策をしておくようにしましょう。