日本にはたくさんの鍵メーカーが存在していますが、どんなメーカーがあるのかを聞かれて複数答えられる人は少ないのではないでしょうか。
またはメーカー名は知っていても、どんな特徴があるメーカーなのかまで理解している人はなかなかいないと思います。
そこでこの記事では、数多くある日本の鍵メーカーの特徴についてご紹介していきます。
■美和ロック(MIWA)
美和ロックは日本で業界の6割というトップシェアを誇る大手鍵メーカーとして有名です。
自宅の鍵をよく見ると「MIWA」というロゴが入っている人も多いのではないでしょうか。
トップシェアを獲得できているのにはきちんとした理由があり、「U9(ユーナイン)」「PR」といった高性能シリンダー錠を開発する技術力と、そういった高品質な製品を比較的低価格で提供しているところです。
最新技術も積極的に導入し、他社の追随を許さない存在となっています。
■ゴール(GOAL)
ゴールは美和ロックに次いで国内シェア2位の鍵メーカーです。
本社が大阪ということもあり、特に関西エリアでの普及率が高いことも特徴です。
シリンダー錠の国産化を最初に始めたメーカーとしても知られていますが、円筒錠や電気錠の商品化にも国内で最も早く着手するなど、常に日本の鍵業界を引っ張ってきた存在でもあります。
現在でもその情熱は衰えることなく、革新的なセキュリティシステムの開発を続けています。
「逆マスターキー」と呼ばれるシステムは、美和ロックとゴールにしか製造できないと言われているほど高度なシステムであり、高い技術力の証明です。
代表的な製品は「V18」というディンプルキーで、高性能なシリンダーとして高い評価を得ています。
■ユーシン・ショウワ(SHOWA)
ユーシン・ショウワは元々「SHOWA」というメーカーでしたが、倒産後の吸収される形で現在の名前となっています。
シェアを多く獲得していた関西地方では今でも「SHOWA」という名前が馴染み深いのではないでしょうか。
代表的な製品は「ミスターホームズ」というシリンダーで、一見普通のシリンダーですが内部に回転を止めるためのサイドバーが搭載されていることが特徴です。
100万通り以上の組み合わせとなっており、非常に防犯性能の高いシリンダーだといえるでしょう。
「Xキー」「NXキー」「WXキー」などもユーシン・ショウワの代表的な製品です。
■HORI(堀商店)
HORIは100年以上の歴史を持つ老舗鍵メーカーとして有名です。
高級感が有り、販売価格もやや高額となっています。
そのため、官公庁や高級マンションなどで多く使用されてきましたが、現在は自社での製造はほとんど行っていないので新たにHORIの鍵を取り付けることはほとんどなくなりました。
HORIのシリンダー錠の特徴としては、ピンが3本のものと6本のものがあることです。
3本ピンのシリンダーは「トライデントシリンダー」と呼ばれており、ピン並びのバリエーションはなんと1400万通りとまでいわれています。
鍵穴が丸いことも特徴で、ピッキングや複製が難しい設計となっています。
6本ピンのシリンダーは鍵穴がジグザグに曲がっており、ピッキングが難しいのはもちろんドリルなどを使用しての物理破壊もできないように、特殊な金属が採用されているのも特徴です。
■ウエスト(WEST)
ウエストの鍵は戸建住宅をメインに使用されています。
ミサワホームや積水ハウスのOEM錠を多く製造していることでも有名です。
創業後しばらくは西製作所という名前でサムラッチ錠や引き戸錠をメインに製造していたこともあり、今でもそのシェアは頭一つ抜けた存在となっています。
代表的な製品は「Agahoシリーズ」で、高い機能性とデザイン性を兼ね備えた人気商品です。
デザイン性が高いことから非常に高級感を感じるつくりとなっており、ヨーロッパへ輸出されるほどにもなっています。
■アルファ(ALPHA)
横浜市に本社を置くアルファですが、他にも国内に4社、海外に11社のグループ企業が存在する大規模な鍵メーカーです。
日本全国に販売店があることから、どこでも商品を手に入れやすいというのもアルファの特徴です。
南京錠に至ってはホームセンターでまで販売されています。
総合鍵メーカーだけに取り扱っている製品が数多く、住宅以外にも自動車や産業機器にも提供されています。
窓や宅配ボックス、自動販売機など細かな部分の鍵にも対応しており、それぞれに最適な鍵が製造されています。
一般的なタイプの鍵だけでなく、ICを使用した携帯電話からの開錠システムなど、ハイテク製品まで幅広く開発されているのもアルファの特徴です。
■まとめ
日本にはたくさんの鍵メーカーが存在するだけに、今回ご紹介したメーカーだけでも知っているメーカーと知らないメーカーがあったのではないでしょうか。
美和ロックやゴールなどの鍵は非常に身近な製品として活用されていますが、特殊な鍵を専門に扱っているようなメーカーの鍵にはなかなか触れる機会も少ないと思います。
今後は自宅や職場の鍵がどこのメーカーの鍵なのかを是非チェックしてみてください。
身近なところに意外なメーカーの鍵が使用されていることもあるかもしれませんよ。