玄関等のドアに取り付けられているドアクローザーは、安全にドアの開閉ができるように制御してくれる装置として活躍しています。
そんなドアクローザーですが、扉の開け閉めスピードを希望の速さに設定することが可能なのをご存知でしょうか。
今回はそんなドアクローザーの設定方法についてご紹介します。
■設定で必要な工具
ドアクローザーの設定は非常にシンプルな仕組みとなっているため、必要となる工具は基本的にドライバー1本だけとなります。
ただし注意しなければならないのは、ドアクローザーの種類によってプラスドライバーなのかマイナスドライバーなのかが変わってくることです。
予めドアクローザー本体の側面を確認し、設定ネジの頭がどちらの形状なのかを確認しておきましょう。
また、マンションの玄関ドア用であるBL型の場合は専用の六角レンチが必要となるので注意が必要です。
■ドアクローザーの設定方法
ではドアクローザーの設定方法をプロセスに沿いながらご説明していこうと思います。
ドアクローザーの種類によって方法も多少異なりなすが、基本的な操作は同じなので参考にしてみてください。
<オイル漏れの確認>
ドアクローザーの設定をするときには、まず本体のオイル漏れを確認します。
オイル漏れが原因で調子が悪くなっているのであれば、設定ではなく交換が必要となってくるので注意が必要です。
<設定弁の確認>
ドアの開閉スピードを設定する設定弁の位置を確認しましょう。
ドアクローザー本体の側面に位置するネジが設定弁です。
この設定ネジは2~3本で構成されている機種が一般的です。
ネジの横に1、2、3といったように番号が振ってある機種もあるのでよく確認してみましょう。
ネジ穴はプラス・マイナス・六角のいずれかとなるので、その形状に合ったドライバーやレンチを準備してください。
<設定弁の仕組み>
ドアクローザーの設定をするにはその仕組みを理解しておかなければなりません。
ドアクローザーの速度設定は一般的に2段階もしくは3段階の角度で設定することになります。
設定弁が複数あるのはそのためで、設定ネジが2つの場合は2段階、3つの場合は3段階となります。
ドアが閉まった状態の角度を0°、開ききった角度を90°とすると、90°~45°が1段階、45°~15°が2段階、15°~0°が3段階という設定角度を目安としましょう。
ネジの横に番号が振ってある場合はその数字を当てはめ、数字がない場合は通常上側のネジが1、その下のネジが2、2の横のネジが3となります。
<ネジを回して設定>
設定弁の仕組みがわかれば、いよいよドアクローザーの速度設定です。
設定ネジをドライバーで回して設定していきます。
ネジを時計回りに回転させると開け閉めスピードは遅くなって、反時計回りに回転させると速くなっていきます。
ネジは軽い力で回るので少しずつ回してドアを開閉させ、速度を確認しながら設定しましょう。
ネジが回らなくなるまで強く締めつけると、扉はロックされて動作しなくなるのです。
<設定完了>
すべてのネジを設定し、好みの速度に設定することができればドアクローザーの速度設定は完了です。
仕組みがわかれば誰でも簡単にできる作業なので、落ち着いて行うようにしましょう。
■設定時の注意点
ドアクローザーの設定で注意しなければならないのは、設定弁を緩めすぎないということです。
設定弁を緩めすぎるとオイル漏れを起こしてしまう可能性があるからです。
設定ネジを回すときには、ドアクローザー本体のツラ面以上ネジを出さないように気を付けてください。
必ずツラ面よりも出ない範囲で速度設定を行うようにしてください。
■設定をしてもすぐに戻ってしまう場合
設定弁で開閉速度を設定しても、少しするとまた戻ってしまう場合は故障している可能性が高いと考えられます。
ドアクローザーにも寿命があるため、古い建物で15年以上使用されているドアクローザーの場合は新品に交換することをおすすめします。
■設定弁1個タイプの場合
現行のドアクローザーはすべて設定弁が2個以上の仕様となっていますが、古いドアクローザーの中には設定弁が1個タイプのものが存在します。
この1個タイプの設定弁は速度設定が非常にシビアで難しいという特徴があります。
そのため、もし自宅のドアが1個タイプの設定弁だった場合は速度設定をするのではなく、業者に依頼するか現行のドアクローザーに交換することがおすすめです。
築年数の長い住宅に住んでいる場合はまず設定弁の数をチェックしてみましょう。
■まとめ
ドアクローザーは設定方法さえわかってしまえば素人でも簡単に速度設定が可能です。
基本的には特殊な工具も必要なく行えるため、もしドアの開閉速度が狂ってきたときにはまずは自身で設定にチャレンジ行なってみるほうがいいと思います。
しかしながらドアクローザーには耐用年数も存在するということから、旧型タイプの扉に関しましては新しいものとの取り換えも考慮しないといけないのです。
今回紹介した手順通りに行っても設定ができないといった場合は、故障の可能性もあるので専門業者に一度見てもらうと良いでしょう。