ガラス素材そのものは半永久的に劣化しないと言われていることもあり、窓ガラスが劣化で変色することを知らない人もいるのではないでしょうか。
しかしいくらガラスという素材が半永久的なものとはいえ、何もメンテナンスをしないで綺麗な状態を維持できるわけではありません。
そこで今回は、窓ガラスの汚れや寿命による変色、それを防ぐメンテナンス方法についてご紹介していきます。
■ガラスの劣化について
ガラスという素材自体は半永久的なものとされていますが、日頃のメンテナンスが不要というわけではありません。
長期間メンテナンスをしないで放置しておくと、素材自体は劣化しなくてもガラスの表面の状態は徐々に変化していきます。
これはガラスに含まれる成分やガラスの種類などが関係しています。
そのため、ガラスを良い状態で長く維持したいのであれば、メンテナンスは欠かせないものなのです
■劣化の種類
窓ガラスは何もしないと日頃の汚れなどにより劣化し色が変化していくことがあります。
そこでまずは、ガラスの劣化の種類について解説していきます。
<くもり>
一般的に多いガラスの変色として「くもり」が挙げられます。
窓ガラスの表面に白っぽく汚れのような模様が浮き上がっているようなら、それはガラスのくもりだと考えられます。
これはガラスの成分にアルカリ成分が含まれていることが原因で、長期間ガラスの掃除をしていないと起こることが多い「アルカリ溶出」という現象です。
これはガラスの経年劣化としては最も代表的な種類となります。
一般的な窓ガラスにはこのアルカリ成分が含まれているのですが、アルカリ成分を含まない「無アルカリガラス」という種類のガラスも存在します。
テレビの液晶やパソコンの液晶もこの無アルカリガラスが採用されているため、長期間使用していてもアルカリ溶出が発生しない仕組みとなっているのです。
パソコンの液晶画面は一見プラスチック製のようにも感じますが、液晶画面は何層にもなって作られているため、その中に無アルカリガラスが使用されているのです。
<日焼け>
窓ガラスの経年劣化としてもう一つ有名なのが「日焼け」です。
ガラスは太陽光を多く浴びることによって日焼けし、それが変色の原因となる場合があります。
ご存知の通り太陽光には多くの紫外線が含まれているため、その紫外線によってガラスの成分が化学反応を起こしてガラスの変色を招くのです。
人間の肌と同じように、ガラスも長期間紫外線を浴び続けると透明な状態を維持することが難しくなるのです。
■劣化しないためのメンテナンス
ではガラスが変色しないようにする対策としては、どういったことがあるのでしょうか。
ある程度の経年劣化は仕方がないとはいえ、出来る限り最初の良い状態で長く使用したいですよね。
劣化を完全に防ぐことは難しいですが、日頃のメンテナンスを欠かさなければ最小限に食い止めることが可能です。
まずガラスのくもり対策としては、シンプルにガラスを洗うことや拭き掃除をマメに行うことが有効です。
期間が開きすぎてしまうとその間に発生したアルカリ溶出の成分を取り除くことが難しくなるので、なるべくマメに行うことがポイントとなります。
頑固なくもりがあるときなどはガラスクリーナーなどを使用することで透明で綺麗なガラスに近付けることができるでしょう。
窓ガラスの日焼け対策としては、魚釣りによく使用される「偏光グラス」を応用した製品を使用することがおすすめです。
最近では「色調偏光グラス」という製品も販売されており、紫外線の強さによってガラス表面の色調が変化する仕組みとなっています。
従来の偏光グラスは紫外線の強さが変化しても表面の色が変化することはありませんでしたが、色調偏光グラスは紫外線が強いと色が濃くなり、弱くなると色が薄くなるという紫外線の強さによって色調が変わる仕組みです。
こういったガラスを有効に活用することでガラスの日焼けを防ぐ対策にも繋がります。
■ガラスの変色と寿命の関係とは?
窓ガラスの変色は単純な汚れや日焼けだけでなく、ガラスの寿命が関係あると言われることもありますが、基本的にガラスそのものには寿命はありません。
ガラスは長年使用していると少しずつ劣化はしていきますが、腐ったりすることはなく半永久的に存在する素材です。
つまりガラスの変色と寿命は関係が薄いと考えられ、変色の原因は寿命よりもメンテナンス不足という可能性が高くなります。
メンテナンスさえ欠かさず行っていれば、長年使用したガラスでも非常に綺麗な状態を保つことができるのです。
■まとめ
窓ガラスの変色を防ぐには、まずはその原因やガラスそのものの特性を知ることが大切です。
ガラスの特性を知ることで日々のメンテナンスなど劣化の対策をできるようにもなるので、ガラスとはどういったもので、どういった種類のものが存在するのかをよく調べてみましょう。
基本的な原因や対策は今回ご紹介した方法で解決できますが、場合によっては特殊なガラスなども存在するので、そういったガラス製品のメンテナンスについては独自のメンテナンス方法を考えてみるのもおすすめです。