大切な書類や情報、財産などを保管しておきたいときに活躍してくれる金庫ですが、ダイヤル式金庫の場合、ダイヤル番号を忘れてしまうといったこともあると思います。
今回はそんなダイヤル式金庫の番号を忘れてしまった時に、どのように対処すれば良いのかを詳しくご説明いたします。
ダイヤル式金庫とは?
ダイヤル式金庫は100万回ダイヤルを回転させても壊れないという、故障が少ないことからも多くの一般家庭で使用されています。
番号設定はあらかじめ決められている場合もありますが、自分で決めることができるものもあります。
実際に使用したことのある人ならわかると思いますが、ダイヤルを回転させて鍵を開ける仕組みのため、普通の鍵に比べると開けるまでに時間もかかり、神経も使うものです。
そのため泥棒が嫌うタイプの鍵のひとつで、防犯性は高いと言えます。
現在ではダイヤルだけでなく、鍵や指紋認証などが組み合わさった「マルチロック式」というタイプもあり、防犯性は更に高まります。
ダイヤル式金庫の仕組み
ダイヤル式の金庫は、1本の軸に「座板」と「ダイヤル」が組み合わさる形で作られています。
ダイヤルを回す順番のパターンによって、扉内部の「閂(かんぬき)」が外れる仕組みです。
このダイヤルを回す番号を忘れた場合には、鍵の専門家が仕組みに沿って番号を突き止めることになります。
ダイヤル式の回し方
ダイヤル式金庫の解錠には特有の回し方があり、多くの場合で4つの数字が使われています。
例えば次のような番号だった場合の回し方について解説します。
右:37番:4回
左:29番:3回
右:55番:2回
左:19番:1回
最初にダイヤルを適当に10~20回くるくる回して番号をリセットします。
スタートする時は0に合わせないといけないと思っている人も多いようですが、0に合わせなくても大丈夫です。
まずは右:37番:4回の回し方ですが、右回りに37を4回セットするという意味なので、右回りに37を3回通過させ、4回目に37でストップさせます。
この時、37を過ぎてしまわないように注意しましょう。
過ぎてしまったら最初からやり直しとなります。
リセットは最初のように10~20回ダイヤルを回します。
左:29番:3回では、先ほど止めた37から今度は左回りに29を2回通過して、3回目に29で止めます。
続いて右:55番:2回は、先ほど止めた29から右回りに55を1度通過して、2回目に55で止めます。
最後は先ほど止めた55から左回りに19まで回して止めて終了です。
正確に止められたらダイヤルは解錠しているので、通常通り鍵を差し込むか取手を引けば開きます。
ダイヤル式金庫の注意点
ダイヤル式だとやはり鍵を空けるまでに時間を要しますし、番号が合っているか確認しながらの作業となるため面倒だと感じることもあると思います。
そのため、「うっかり暗証番号を忘れたら開けられなくなる・・・」と心配になり、ダイヤルをガムテープなどで固定し、いつでも開けられるようにしている人もいます。
しかし、実はこの方法ではダイヤルを完全に固定することはできません。
地震や周囲の人が金庫に接触した際に、その振動によってダイヤルが少しづつ動いてしまうわけです。ダイヤルが変わることのないように固定していたとしても、ダイヤルとリンクされいる「タンブラー」という内部装置が変わると開かなくなってしまいます。
金庫は本来、大切なものを守るために他人に開けられないようにしておくものです。
いつでも開けられるようにしておくというのは、そもそも金庫の意味を成さなくなるためあまりおすすめできない方法です。
金庫ダイヤルを忘れた!そんな時の対処法とは
ではダイヤル式金庫のダイヤル番号を忘れてしまったときの対処法についてご案内します。
まずは次の2つを試してみましょう。
<思いつく番号で試してみる>
暗証番号を変更できるタイプの場合には、まずは自分がよく使っている数字を試してみるのも一つの手です。
よくパスワードに使われる番号については、次のようなものがあります。
・生年月日
・携帯番号
・連番・ぞろ目
・記念日
・ボタンを縦や横になぞった数字(縦は8520やコの字型なら7896321など)
<製造元へ確認してみる>
もう一つの方法として、ほとんどの場合で有料ではありますが、メーカーなど製造元への問い合わせという手段もあります。
メーカーにもよりますが、その際には次のような情報が必須となります。
・品番
・製造番号
・身分証明書による本人確認
・契約書の提出
問い合わせてもすぐに回答があるわけではなく、調査のため約2週間ほどかかる場合もあります。
急ぎでないならば、メーカーへの問い合わせは安全面からもお奨めできます。
ただし、ダイヤル番号は簡単に教えられるものではありません。
まずはメーカーに教えてもらえるのかどうか、その場合にはどうしたらいいのか確認しましょう。
古い金庫でメーカーがすでに倒産しているという場合もあると思いますが、その場合には専門業者に依頼して開けてもらうことになります。
しかしどうしてもすぐに開けたいという場合もありますよね。
そういった時には、最終手段として金庫を破壊するという方法もあります。
工具の扱いに慣れている人であれば、バールやサンダーなどを使って扉と本体のつなぎ目を切り、こじ開けます。
ただし、耐火性の素材は壊した後不燃ごみなどで出せない場合がほとんどなので、不用品回収業者への依頼が欠かせなくなり、廃棄費用がかかるので注意が必要です。
鍵屋さん選びのポイント
自分では鍵を開けられず、鍵屋さんへ依頼することになった場合にはどのような鍵屋さんに依頼するべきなのでしょうか。
数ある鍵屋さんの中から選ぶポイントとして、次のようなことが挙げられます。
1.365日対応 年中無休
2.事前に見積もりを出してくれる
3.見積もり後でもキャンセル無料である
4.出張費が無料
この4つがあてはまる鍵屋さんであれば、比較的優良業者だといえるでしょう。
大切な財産を保管する金庫だからこそ、信頼できる業者へ依頼したいものですよね。
暗証番号の決め方例
暗証番号を決める際、いつもどのようにして決めていますか?
忘れ難く、他人に推測されづらい暗証番号を決めるコツをご案内します。
<ダメな暗証番号の例>
先ほど<思いつく番号で試してみる>の中で紹介した、
・自分の誕生日
・連番やぞろ目
・ボタンを縦や横になぞった数字
これらは覚えやすいことからよく利用されがちなパスワードです。
しかし他人に推測されやすいリスクがあるため、これらの方法は避けたほうが賢明でしょう。
<良い暗証番号の例>
他人に推測されにくい番号とは、まったく意味がないように思える数字の組み合わせです。
例えば誕生日が「11月25日」の場合、パソコンのキーボードの右隣の数字にする方法などがあります。
・1の右隣は2
・2の右隣は3
・5の右隣は6
これらを組み合わせると「2236」となります。
誕生日でもない、しかし自分にしかわからない数字が出来上がりました。
<安全な場所へのメモ>
暗証番号をどうしても覚えるのが苦手な人は、パスワード管理アプリなども使うと安心できると思います。
今はスマホアプリなどもあり便利です。
他にも見つからない場所などに隠す方法がありますが、自分で隠した場所を忘れるとどうしようもありません。
そのため、パスワード保管用の鍵式金庫を使用するという方法もあるので、自分の記憶力に自信がない人はこのような方法でのパスワード管理することをお奨めします。
まとめ
ダイヤル式の金庫はその番号を忘れてしまうと致命的ですよね。
自分で設定できるものであれば覚えていられそうですが、あらかじめ決まっている番号だと忘れがちです。
なんとかして開けたい!と思っても、やはり番号がないと現実的には開けるのは大変です。
困ったときには素直にメーカーや専門業者に相談してみましょう。